サラリーマンの確定申告 ~平成25年度分~
今年も確定申告の時期がやってきました。
H25年分の確定申告の申告期限は、H26年3月17日(月)です。
大部分の給与所得者(サラリーマン)の方は、年末調整によって納税が完了しますから、確定申告の必要はありませんが、給与所得者であっても確定申告が必要となる場合や、確定申告をしたほうが税金が戻ってくる場合があります。
【確定申告をしなければならない場合】
次のいずれかに当てはまる人は、原則として確定申告をしなければなりません。
①給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
②1か所から給与の支払を受けている人で、副収入(給与所得及び退職所得以外)の所得の合計額が20万円を超える人
③2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と副収入(①に同じ)の所得の合計額が20万円を超える人
【確定申告をしたほうが税金が戻ってくる場合】
確定申告書の提出義務がない人でも、一定の要件に当てはまるときは、確定申告をすることによって、源泉徴収された納めすぎた所得税額の還付を受けること(還付申告)ができます。
確定申告義務のない人が還付申告をする場合は、還付を受けたい年度の翌年1月1日から5年間行うことができます(例えば平成21年分について還付申告する場合、平成26年12月31日まで可能)。
還付申告をすることができるのは、主に次のような場合です。
①年末調整後に子供が生まれた人や結婚した人(扶養控除など年末調整で適用できなかった所得控除があれば確定申告をすることで適用できる)
②年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納めすぎとなっている人
③その年中に多額(※)の医療費を支払った人(医療費控除が適用可)
※10万円超の金額または本人の所得が200万円未満の場合はその所得の5%超の金額
④上場株式等の譲渡損失の金額がある人または平成23年分以後に生じた上場株式等の譲渡損失の金額のうち、前年以前で控除されていないものがある人(上場株式等の譲渡損失を翌年以後に繰越すことや、上場株式等の配当と相殺できる)
⑤H25年中に借入をして住宅を取得もしくは増改築した、または特定のバリアフリーや省エネのためのリフォームをした人(一定額を税額から差し引ける)
⑥一定の耐震工事をした人(一定額を税額から差し引ける)
⑦住宅を売って利益が出た人(利益には通常税金がかかるが、一定の要件を満たせば税金を軽減する特例の適用を受けることができる)
⑧住宅ローンの残る住宅を、ローン残高よりも安い値段で売って損失が出た人(その損失を給与所得などと相殺できる)
⑨住宅を買い換えて売却損がでた人(その損失分を給与所得などと相殺できる)
⑩特定支出控除制度の適用を受けたい人(下記3参照)
【H25年分の所得税から適用される主な改正点】
1.東日本大震災からの復興のため、所得税と併せて復興特別所得税が課税されます。復興特別所得税の額は、納付すべき所得税額の2.1%相当額です。
2.給与収入金額が1500万円を超える場合の「給与所得控除額」が、従来は収入金額に応じた金額でしたが245万円の定額(上限)となります。「給与所得控除額」とは、所得税を計算する際に給与収入額から差し引くことができる控除分をいい、給与取得者にとっての、自営業者でいう経費の代わりのようなものです。
3.特定支出控除制度の適用範囲が拡大されています。
特定支出控除制度とは、「特定支出」の額の合計額が「給与所得控除額」の2分の1を超える場合(年収1500万円以下の人。1500万円超は125万円を超える場合)、その超える部分を、「給与所得控除額」を差し引いた後の所得から控除することができる制度です。
「特定支出」とは下記に掲げるものをいい、会社の証明や費用明細の添付とともに確定申告が必要です。
(1)一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための通勤費
(2)転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる転居費
(3)職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための研修費
(4) 職務に直接必要な資格を取得するための資格取得費
※平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も対象
(5)単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な帰宅旅費
(6)次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限る)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費) ※平成25年分以後、特定支出の対象。
①書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための図書費
②制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入する ための衣服費
③交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある 者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための交際費
なお、各特例や控除の詳細な条件は国税庁HP等にも記載されていますのでご確認ください。