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サラリーマンの確定申告

2013年01月28日(月)5:22 PM

H24年分の確定申告の申告期限は、H25年3月15日(金)です。

大部分の給与所得者(サラリーマン)の方は、年末調整によって納税が完了しますので、確定申告の必要はありませんが、給与所得者であっても確定申告が必要となる場合や、確定申告をしたほうが税金が戻ってくる場合があります。
H24年分の所得税の確定申告の受付期間は2月18日からとなっていますが、税金が戻ってくる確定申告(還付申告)の場合については、それ以前に行うことができます。
期限間際は混み合うことが予想されますので(e-Taxだと関係ないかもしれませんが)、該当される方はゆとりのある時期にされることをお勧めします。


1.確定申告をしなければならない場合とは?

次のいずれかに当てはまる人は、原則として確定申告をしなければなりません。

(1) 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
(2) 1か所から給与の支払を受けている人で、副収入(給与所得及び退職所得以外)の所得の合計額が20万円を超える人
(3)2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と副収入((2)に同じ)の所得の合計額が20万円を超える人

具体的には、たとえば生命保険の満期受取で、受け取った金額から支払った保険料の額を控除した残額が50万円を超えた場合などにも注意が必要です。


2.確定申告をしたほうが税金が戻ってくる場合とは?


確定申告書を提出する義務がない人でも、一定の要件に当てはまるときは、確定申告をすることによって、源泉徴収された納めすぎた所得税額の還付を受けること(還付申告)ができます。
よって、会社で年末調整を受けたといっても、確定申告をしたほうがよい場合もありますので、要件に当てはまりそうな方はお気を付けください。
このような確定申告義務のない人が還付申告をする場合は、5年間遡って行うことができます。

還付申告をすることができるのは、主に次のような場合です。

(1) 年末調整後に子供が生まれた人、年末調整後に結婚した人
  (⇒扶養控除など年末調整で適用できなかった所得控除があれば、確定申告をすることで適用できる)
(2) 年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納めすぎとなっている人
(3) H24年中に多額(※)の医療費を支払った人
  (⇒医療費控除が適用可)
   ※10万円超の金額または本人の所得が200万円未満の場合はその所得の5%超の金額
(4)上場株式等に係る譲渡損失の金額がある人(または平成22年分以後の年分に生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額のうち、前年以前で控除されていないものがある場合)
(5)H24年中に借入をして住宅を取得または増改築した人や、特定のバリアフリーや省エネのためのリフォームをした人
(6) H24年中に一定の耐震工事をした人
  (⇒一定額を税額から差し引ける)
(7) 住宅を売って利益が出た人
  (⇒利益には通常税金がかかるが、「3,000万円の特別控除の特例」や「軽減税率の特例」で税金を軽減することができる)
(8) 住宅ローンの残る住宅を、ローン残高よりも安い値段で売って損失が出た人
  (⇒その損失を給与所得などと相殺(損益通算)できる)
(9) 住宅を買い換えて売却損がでた人
  (⇒その損失分を給与所得などと相殺(損益通算)できる)

  ※各控除の詳細な条件は国税庁サイト(「タックスアンサー」等)でご確認ください。


3.H24年分の所得税から適用される主な改正点


H24年から生命保険料控除が改正されています。

生命保険料控除は従来、「一般分」と「個人年金分」に分けて計算していましたが、H24年からは「一般分」「介護医療分」「個人年金分」に分けて計算することになりました。
従来の契約による保険料と、H24年1月1日以後契約分の保険料では適用できる上限額が異なるため、従来分(旧制度)と改正後(新制度)でそれぞれ分けて計算する必要があります。

H24年からの生命保険料控除は、次のように分かれることになります(()内は控除額の上限額)。

 「一般分」………旧制度(5万円)、新制度(4万円)
 「介護医療分」…新制度(4万円)
 「個人年金分」…旧制度(5万円)、新制度(4万円)

旧制度の保険料のみについて適用を受ける際の上限額は5万円ですが、旧制度と新制度の双方の保険料について適用を受ける際の上限額は4万円となります。
また生命保険料控除の全体での上限額は、改正により12万円(H23年は10万円)になりました。

各区分での上限額と、全体での上限額の両方がありますので、保険会社から届く証明書に記載されている「旧制度適用分」「新制度適用分」(各保険会社により名称は多少異なります)の違いを、十分にご確認ください。


 



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